2012/08/07

The Art

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人は、利益より損失に対してより強く反応する事はよく知られている。
そして
p.154,155
どうやら、わたしたちが情報をどのようにとらえるか、またはどのように情報を提示にするかによって、選択に見方や判断が大きくかわるようだ。
(中略)
どの協力者も、実質的には同じ統計的データを与えられた。それなのに、提示方法の違いが、協力者の判断に劇的な影響をおよぼしたのだった。生のフレームでデータを提示されたグループであ、手術より放射線治療を選ぶと回答した協力者は、わずか二五%だった。これに対し、死のフレームで提示されたグループでは、放射線治療を選んだ協力者は四二%に増えたのである。手術中の死亡率が強調された結果、長期的な生存率を犠牲にしても、放射線治療を選ぶ人が増えたのだ。さらに重大な発見があった。それは、医師もほかの協力者と同じくらい、提示方法のバイアスの影響を受けやすかったということだ。幅広い経験と訓練を積んでいる医師でさえ、数字だけでは正しい判断を下すことができなかったのだ。

生のフレーム:生存率
市のフレーム:死亡率

という事は、提示された情報を常に反対からも見つめる事で、バイアスを軽減させる事ができるはずだ。


p.158
わたしたちはすでに持っている思いこみを裏づけようとするだけでなく、その誤りを証明しかねない情報を、すばやく退けてしまうのだ。

p.297
心理的反発は、心理的現象の例に漏れず、状況の事実関係でなく、状況に対する認識によって引き起こされる。

例えば、人は禁止されたものを欲しがる。
それを利用して、以下のような応用もできる。
心理的反発の抑制
p.299
わたしの同僚が、幼い息子にこの方法でシェイクスピアに興味を持たせようとした。シェイクスピアの本は「パパのご本」だから、子どもは読んじゃだめだ、と申し渡し、プレイボーイやペントハウスなどの男性雑誌を隠すように、本棚の本の後ろや、浴室の洗面台の下の収納ボックスの中に隠した。ただし、必ず端っこがちょっとだけのぞくようにしておいた。息子は間もなく禁書を探しあて、こっそり読み始めた。そして次第に古典に深い関心を覚えるようになったと同僚は悦に入っていた。

しかし、もっと良い方法がある。
人を軽く抑制し、「認知的不協和」を生じさせる。
これについては、本書を一読して欲しい、すごく面白いから。



ヤバイ経済学
,予想通りの不合理フリー,は私にとって強く影響された本だが、
それらと同じくらいのインパクトがあった。
さらに、ダン・アリエリーについては、本書中でも引用されていて、
知識が繋がっていく事が嬉しかった。

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