Who's Your City?
クリエイティブ都市論
原著から考えると5年前の本であり、本書のデータはそれより以前のものである。
それを差し引いて考える必要はあるが、基本的には全面同意。
実感としてすごく納得できる内容。
以下メモ
p.10
仕事を失うことはいつだってつらい。大切な人との破局はなおさらである。否定的なことを長々と論じるのは本意ではないが、そうした最悪の事態に見舞われた時、職業や結婚相手の選択肢の狭い場所にたまたま住んでいたとしたら、さらにひどい痛手を被ることになるだろう。
p.12
- 現在住んでいる場所について考えたことがあるか。そこは本当にいたいと思える場所なのか。活力が得られる場所か。毎朝、近所の道や通りに歩み出た時、体を満たすのはインスピレーションか、それともストレスか。そこは、自分が本当になりたいと思える人間でいられる場所か。個人的な目標を達成でき、親類や友人に勧められる場所か。
- 転居は考えたことがあるか。考えたことがあるとすれば、頭に浮かんだ上位3つの候補地はどこか。その3カ所のどこが気に入ったのか。そおから具体的に何が得られると思うか。そこに住めば、自分の人生がどう変化すると思うか。
- いまの居住地と希望する転居先とを、じっくり比較して考えたことがあるか。比較検討するにあたって、どれだけ多くの時間と労力を割いたか。正直な話、仕事 や職業的成功、あるいは(特に独身者の場合は)恋人とのデートに注いだ思考力やエネルギーのほうが多かったのではないか。
p.58
こうやって数字を見ると都市の本質的な強さがよくわかる。。
- 経済規模で上位10地域の人口の合計は約4億1000万人。これは世界の全人口の6.5%であるが、それで世界全体の43%(13.4兆ドル)の経済活動を担い、イノベーションの57%を支えている。
p.80
ルーカスはジェイコブスの築いた基礎に沿って研究を進めた後、才能の集積から生じる相乗効果が経済成長の「一次」決定因子であると断定した。労働力や資本、技術もたしかに重要だが、「人々が特定の場所で才能やアイデア、エネルギーを結集しなければ、意味のあるものは生まれない」と彼は説いた。
p.85
要するに人口が2倍になると、クリエイティブな生産活動および経済生産が2倍より大きくなるのである。
p.107
私が言いたいのは、私たちが本来の能力を発揮して幸福を見出すには、場所の重要性を認識し、選択肢を正しく比較検討して、必要とあれば移動する覚悟を持つべきだ、ということなのである。
p.117
今日の社会で最も重要なのは、大勢の人々がどこに集まるかではない。「高い能力を持った人々がどこに集まるか」である。有能な人々が場所を共有すつことによるメリットは非常に大きく、高所得者の収入の上昇速度は非常に高い。
p.142
地理的に近接していることは集積の前提条件であると共に、生産性を工場させるのに必要な人間同士の直接的コミュニケーション、情報共有、連携を促進させる要素でもある。
p.169
オズワルドは、アメリカとヨーロッパの双方において、住宅所有率の高さと失業率の高さは相関しており、労働組合の組織率や生活保護の受給率よりも、失業率と強い関連性が見られるとしている。
p.198
差別が当事者に心理的ダメージ与えるとわかっていても、人間は本能的に魅力的では人から距離を置こうとする。
本書のテーマとは直接関係ないが、妙に納得したので。
p.218
美的感覚と開放性の評価の高い場所では、独特な現象が強力に起きている。人種的にも社会経済的にも格差の大きいニューオリンズのような都市においてさえ、社会が平等になっていくのだ。
p.228
するとセリグマンがきわめて有益な一言を付け加えた。「天賦の才能よりも、旺盛な探究心のほうがはるかに成功に役立ったと、多くの偉人は手記で記している」
まだ何も成してはいないが、これは自信がある。勇気をもらった。
p.258
そこで現在あるいは将来の居住地について、次のような質問を基に自分にとって何が最も大切かを考えてみてほしい。
p.282-283
プレースファインダー
(最高の居住地を見つける20 のチェックポイント)
この表はコピーしてどこかに留めておこうと思う。
注:元の本文は漢数字ですが、簡単のためアラビア数字を用いて引用しています。
また、カタカナ表記のパーセントを%記号に改変し引用しています。
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